“ぼったくり”じゃなくて“舞台装置”:高価格が自然に通る設計

先日、大学の同窓会でニューオータニへ。

開始まで少し時間があったので、せっかくだし——と

1階ラウンジでケーキをつつきながらメニューを眺めていたら…

目に飛び込んできたのが「マスクメロンクリームソーダ 3,500円」。

僕、昔からメロンクリームソーダが好きでね。

友だちに「そんなの頼む人ほんとにいるの?」って驚かれたタイプ。

でもその日ばかりは、思わず笑ってしまった。

「いやいや、3,500円て…」と。で、結局、頼んだ。

うまかった。はい、完敗。笑

普通の喫茶店なら800円くらい?それが4〜5倍。

じゃあ“ぼったくり”かというと、全然違う。

銀のトレー、丁寧な所作、落ち着いた空気、

そして「マスクメロン」という物語。

開始までの“特別な待ち時間”を、ちょっと非日常に変えてくれる演出。

——この時、はっきり分かった。値上げは「勇気」じゃない。「設計」だ。

世の中の多くのビジネスは、原価に利益をのせて“計算”で値段を決める。

でもお客さんが買っているのは「計算された数字」じゃなくて、

「自分への許可が出る体験」。だから価格は足し算で上がるんじゃなく、“舞台”で上がる。

僕が感じたポイントは3つだけ。

◆場(Place)

同じ飲み物でも、置く“場所”が変われば価値は跳ね上がる。ホテルという舞台が価格を引き上げる。

◆物語(Story)

「メロンソーダ」じゃなくて「マスクメロンクリームソーダ」。

ネーミングひとつで、“何者か”になる。

希少性・こだわり・出自…物語は価格の翻訳機だ。

◆比較(Anchor)

3,500円という“旗艦”があるから、他のドリンクが急にお手頃に見える。

価格は孤立させず、文脈に置く。

主張はシンプル。

価格は「作る」もの。場所×物語×比較で“上げられる”。

・旗艦を作る:一番高い“代表作”を用意する(中位が自然に売れるようになる)

・物語化する:素材・手間・背景をネーミングと一言コピーに載せる

・舞台を整える:提供の所作、器、見せ方を一段だけ格上げする

「それで本当に売れるの?」って思いますよね。

でも、あなたもきっとどこかで“自分への小さなご褒美”を買ったはず。

人は数字じゃなく体験で決める。

だから、値上げの第一歩は“原価の見直し”ではなく、“体験の設計”。

あなたのビジネスの「メロンソーダ」は何?

もしそれを3,500円で売るなら、どんな舞台と物語を足す?

PS:

ちなみにケーキにも同じくマスクメロンのがあって、

これも格段に美味しかった!

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