第二部・バイク編
さて、続いての第二部は、自転車です。
先に結論から申し上げます。この39kmは、ただ、ひたすらに、退屈でした。
誤解のないように言っておきますと、私は最初から、そんなに速く走るつもりはありませんでした。無理をせず、自分の普通のペースで。それでも時速25kmくらいは出ていましたから、もし転んだら、普通にケガをするスピードではあります。決してのんびりサイクリング、というわけではないのです。
目 次
周りの人が、とにかく速い
ただ、周りの方々が、本当に速いんですよね。
ミサイルのような格好で、ミサイルのような走り方をしている方が、そこかしこにいるのです。おそらく時速40kmは出ていたのではないでしょうか。
そして私はというと、抜かれる、また抜かれる。後ろから風が来たと思うと、また一人、私の横をヒュンッと通り過ぎていきます。何度、何十度、抜かれたでしょうか。途中から、数えるのも馬鹿らしくなってきました。
その横で、私は時速25km。39kmを、およそ1時間半かけて、ただ黙々と漕ぎ続けていました。
携帯もイヤホンもない、1時間半
問題は、この1時間半です。
携帯も、イヤホンも、持っていません。当然です、レース中ですから。つまり、音楽もなければ、通知もない。景色は流れていくものの、やることは「ペダルを漕ぐ」以外に、何もないのです。
これが、想像以上に、暇でした。
そこで私は、どうしたか。
歌を歌いながら、走っていました。
……はい。傍から見れば、時速25kmで自転車を漕ぎながら、一人で歌っている、少々あやしい人です。でも、そうでもしないと、この1時間半は、とても持ちませんでした。
一体、何曲歌ったのか。もう、覚えていません。同じ曲を、何周も歌っていた記憶だけが、うっすらと残っています。
歌いながら、ふと気づいたこと
そうして無心でペダルを回しながら、私は一つ、妙に納得したことがあります。
「何かをしながら取り組める」というのは、実は、とても大切なことなんだな。
苦しいことでも、単調なことでも、片手間に何かを添えられると、人はずいぶん続けやすくなります。歌でも、音楽でも、おしゃべりでも。逆に、それ一つだけに向き合わされると、たった1時間半でも、こんなにも長く感じるものなのですね。
そして、第三部へ
さて、次はいよいよ、第三部・ラン編です。
今度は自分の足で走りながら、この果てしない”暇”と、どう付き合っていくのか。……正直に申し上げると、自分でも少し、楽しみにしています。
(そして、次こそはこっそりイヤホンを持ち込めないか、という作戦も、まだ諦めてはおりません。)
次回、第三部・ラン編(「やってみるのも悪くない」くらいの、トライアスロン完走記)に続きます。