もし、あなたがクライアントから「こういう施策をやりたいんです」と言われたら、どうされますか。
おそらく多くの方が、その希望を叶えてあげようとするはずです。私も、正直そうしたくなる気持ちはよくわかります。
先日、知人からこんな話を聞きました。その方は動画・YouTubeのコンサルをされている方です。
最初にコンサルティングを始めたクライアントは、1本目、2本目としっかり動画を見てくれていたそうです。再生回数も、1万回、5万回と、きちんと結果が出ていました。
ところが、3本目あたりから様子が変わってきます。
クライアントの要望が、少しずつズレ始めたのです。「競合がやっているから」「自分はこうしたい」という、いわば本人のエゴに基づいたリクエストが増えていきました。
結果はどうなったか。
3本目から、数千回再生。その後は、数百回再生にまで落ち込んでいったそうです。
これ、本当によくある話なんです。
私自身もクライアントワークをやっているので、正直な気持ちがわかります。クライアントの「こうしたい」に応えるのは、実は楽なんです。なぜなら、うまくいかなかったとしても、責任をクライアントに押し付けられるからです。
でも、プロとして本当にそれでいいのでしょうか。
「そのやり方だと、絶対にうまくいかない」
そうわかっているにもかかわらず、財布(お金を出す側)がやりたいと言っているから、という理由だけで、いろんな違和感を押し殺して実行してしまう。これは、真摯に取り組んでいる側からすると、正直かなり馬鹿らしいことだと思います。
もちろん、はっきり意見を言えば、嫌われることもあります。実際、私もそういう場面を何度も経験してきました。
それでも、後になって振り返ると、たいてい「やっぱりな」という結果になっています。
こういう状態を、私は「裸の王様」だと思っています。周りが本当のことを言わなくなり、本人だけが気づいていない。そして、気づいたときには、すでに数字が物語ってしまっている。
あなたの周りにも、こういう「裸の王様」に陥っている方、いらっしゃいませんか。
そして、もしあなたがプロとして誰かに関わる立場だとしたら——その人が裸の王様になりかけているとき、あなたは本当のことを言えているでしょうか。