「自分のペースで」は、絶対にうまくいかない

先日、ちょっとオフィスっぽい場所で仕事をする機会がありました。

普段の私は、オフィスも持っていませんし、社員も雇っていません。基本的には自分のペースで、好きな場所で仕事をしています。

その日は違いました。朝10時半から夕方5時半まで、途中1時間のお昼休憩を挟んだだけで、ずっとパソコンに向かう「缶詰」状態です。

正直に言います。

すごく捗りました。

そして、すごく疲れました。

周りに人がいる。サボれない。それだけで、こんなに集中できるものかと、自分でも驚いたのです。


「自分のペースで学べます」は、本当でしょうか

実はこれ、今まさに世界中の経営者が向き合っているテーマと、同じ構造だと思います。

「自分のペースで学べます」。そんな謳い文句の講座や研修を、見たことがある方は多いのではないでしょうか。

聞こえはいいですが、私はこれ、うまくいかないケースの方が多いと感じています。

学校のテストと同じです。強制的に受けさせられて、テストがあるから仕方なく頑張る。自分のペースに任されていたら、果たしてどれだけの人が勉強したでしょうか。

オフィスに戻り始めた企業たち

そして、この直感を裏付けるような出来事が、実際に起きています。

日本/2026年7月

GMOインターネットグループ、在宅勤務の推奨を廃止

社員同士のコミュニケーションや、意思決定のスピードを重視したためと説明されています。会長兼社長は自身のSNSで、時間当たりのパソコンのタイピング数が在宅勤務で減っていたと明かし、「トータルで見ればマイナスだった」という趣旨を投稿しました。

海外/数年前

Twitter買収後のイーロン・マスク氏、週40時間の出社を義務化

オフィスにいた方がコミュニケーションが向上し、生産性が上がるという考え方からです。この方針に応じられないなら退職を勧める、とまで言い切りました。

かなり強い言い方です。ですが、この判断、複数の研究データと照らし合わせると、あながち的外れではないのです。

データは、両方の顔を見せます

Microsoftが自社の社員データを調べた調査では、在宅勤務が広がって以降、平均労働時間が約1時間増え、ホワイトカラーの会議量はコロナ前の2倍にまで膨らんでいたことが分かっています。

柔軟性は上がったものの、仕事量そのものが増えてしまった人が多かった、ということです。

一方で、リモートワークにはメリットもあります。

週2日程度のリモートで、報告されている効果

マーケティング、プログラミング、会計、エンジニアリングなど幅広い職種で生産性が向上。仕事の達成度が上がり、離職率が下がり、満足度も上がる。

ただし、報告されている副作用

チームの結束が弱くなる。同僚との何気ない情報交換が減る。上司が心配のあまり細かく管理し始めて、かえってうまくいかなくなる。孤独感や集中力の面で、在宅が向かない人もいる。

研究に共通している、ひとつのこと

複数の研究に共通して言われていることが、ひとつあります。

超優秀な人、つまり方向性を決めたり戦略を考えたりすることが仕事の人は、リモートの方がうまくいく傾向にあります。オフィスにいると、すぐに話しかけられて、考える時間が削られてしまうからです。

けれど、それ以外の、実際に手を動かす人に関しては、話は逆になります。多くの研究が、基本的には出社した方がいいという結論に落ち着いています。

考える人には、自由を。
作業する人には、強制力を。

役割によって、必要な環境はまったく違う。

そう考えると、GMOやTwitterのようなオフィス回帰の動きも、決して感情論だけではなく、データに裏打ちされた自然な流れなのかもしれません。

今日の問いかけ

あなたの職場では、どちらの働き方が合っているでしょうか。
一度、役割ごとに分けて考えてみてはいかがでしょうか。

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